電話でのお問い合わせやご来院いただく患者様より時折「女性向けのED薬」について聞かれる事があります。
もちろん日本で承認薬としてはありませんが、海外にはいくつか存在します。
現時点でのユナイテッドクリニックで取り扱う予定はありませんが一つご紹介します。
フリバンセリンについて
女性向けのED（性的な機能障害）薬として、
「フリバンセリン（Flibanserin）商標名：アディ（Addyi）」という薬があります。
フリバンセリンは性的欲求低下障害（HSDD：Hypoactive Sexual Desire Disorder）の治療に
使用される薬で、主に閉経が近い更年期女性を対象にしています。
性的欲求の改善や満足のいく性的出来事を増やすことで性的欲求の低下に伴う 苦痛やストレスを軽減します。
フリバンセリンはドイツのベーリンガーインゲルハイム社で開発されましたが否定的な評価により
承認が得られず、2010年10月に一旦開発が中止されます。
その後、薬の権利はアメリカのスプラウト・ファーマシューティカルズ社に譲渡され
20015年8月にFDA（米国食品医薬品局）の承認が得られました。
現在はカナダのバリアント・ファーマシューティカルズ社に権利があります。
フリバンセリンの作用機序
フリバンセリンは中枢神経系に作用し、脳内の神経伝達物質であるセロトニン（5-HT）
およびノルアドレナリン（NA）のバランスを調整することで性的欲求を増強しようとする
薬物です。 セロトニンとノルアドレナリン活性化が、HSDDの症状に寄与していると
考えられています。
フリバンセリンの服用方法
通常は就寝前に1日1回、毎日同じ時間に服用することで効果が期待できます。
一般的な初期の服用量は100 mgですが、個々によって調整されることがあります。
水で服用し、他の飲み物と一緒に摂ることは避けるべきとされています。
指定された投与量を厳密に守り、医師の指導に従うことが重要です。
効果はすぐに現れるわけではなく、個人差もありますが数週間から数か月ほど
かかる場合もあるため、効果の変化をじっくりと観察する必要があります。
フリバンセリンの副作用と注意事項
主な副作用ですが眠気やめまい、低血圧、吐き気や嘔吐、口の渇き、不眠症、
食欲不振などです。
なかでもフリバンセリン服用中にアルコールを摂取すると、重度の低血圧リスクが
高まる可能性があるため、その晩にある程度のアルコールを摂取した場合は
服用をスキップすることが推奨されています。
これらの副作用が生じた場合はすぐに医師に相談することが重要です。
また異なる状況や健康状態によってはこれら以外の副作用が生じる可能性もあるため、
フリバンセリンの使用に関する詳細な情報や注意事項は、患者自身の状態に基づいて
医師に確認してください。
その他の注意点
フリバンセリンは即効性のある媚薬のようなものではなく、長期にわたって服用するのが
前提の薬です。そのため男性向けのED薬とは異なるアプローチが必要であることに
注意しなければなりません。女性の性機能障害は複雑で多因子であり、個々の症状や
原因に応じた適切な治療が求められます。
女性の性機能障害には心理的な要因が強く関与していることがあり、心理療法や
カウンセリングも有益なアプローチとなることがあります。
どんな薬物療法も医師の指導に基づいて行われるべきですが女性がED薬を考える場合は、
特に信頼性のある医療専門家との相談が重要です。
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今回紹介した女性向けのED薬は取り扱いがございませんが、男性向けのED治療薬でしたら
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