はじめに
ウゴービ(一般名:セマグチルド)はデンマークの製薬会社ノボノルディスクファーマが
開発した肥満治療薬です。
日本ではこれまで肥満症の薬といえば食欲抑制剤サノレックス(一般名:マジンドール)
だけでしたが、新たに承認を受けた薬として注目されています。
保険適応の薬ですが処方条件が厳しい為、現状は総合病院等での取り扱いとなるでしょう。
現時点ではユナイテッドクリニックでも取り扱う予定はありません。
ウゴービの作用機序
ウゴービはGLP-1受容体作動薬という種類の薬に分類されます。
GLP-1(Glucagon-likePeptide-1)というホルモンの作用を模倣する薬で、
以下2つの作用機序によって食欲抑制と血糖値コントロール効果を発揮します。
●GLP-1受容体作動作用:膵臓のβ細胞にあるGLP-1受容体に作用することで
脳の満腹中枢を刺激し、食欲を抑制します。
●インクレチン作用:インクレチンの分泌を促進することでインスリン分泌を促し、
血糖値を下げる作用があります。
ウゴービの有効性
ウゴービは食事療法や運動療法と併用することで、体重減少効果が期待できます。
臨床試験結果によると、68週間の臨床試験においてウゴービを週1回投与した群は
プラセボ群と比べて平均約12.4%の体重減少を達成しました。
これは体重100kgの人で約12.4kgの減量に相当します。
また、体重減少だけでなく体脂肪率や内臓脂肪の減少効果、血糖値を下げる効果も
期待できるため、肥満に伴う2型糖尿病のリスクを軽減する可能性があります。
ウゴービの用法用量
ウゴービは、週1回の皮下注射で投与します。自己注射が難しい場合は医療機関で注射を受けることも
可能ですが、ペン型の注射器を使用するため注射の操作は簡単です。
注射部位は腹部、太もも、上腕のいずれかに注射できます。
容量は0.25㎎、0.5mg、1.0㎎、1.7mg、2.4mgの5段階あります。
0.25mgから開始して4週間ごとに増量していき、最大容量2.4mg以降は
2.4mgを週1回で皮下注射します。
ウゴービの副作用
ウゴービの主な副作用は、以下の通りです。
消化器症状として吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、倦怠感、インフルエンザ様症状などが
報告されています。また注射部位の反応として赤み、腫れ、痛みなどがあります。
これらの副作用は通常軽度から中等度であり、投与を続けることで自然に消失することが
多いです。また糖尿病治療薬と併用する場合に注意が必要で、低血糖症状が現れることがあります。
ウゴービの注意点
ウゴービは、以下の場合には使用できません。
1型糖尿病、膵炎、甲状腺髄様癌、重度の腎障害、妊娠中または授乳中、
小児への適用は行われていません。
またウゴービを使用する際には、いくつかの点に注意する必要があります。
糖尿病薬については血糖降下作用が増加し、低血糖の発現のリスクが高まるので
併用に注意が必要です。急性腎障害、胆石症などのリスクもあるため、定期的に検査する必要があります。
ウゴービの適応
ウゴービは、以下何れかの条件を満たす肥満症患者に適応されます。
●肥満度のBMI27以上且つ、2つ以上の肥満に関連する健康障害※が生じている場合
●BMI35以上
※肥満に関連する健康障害とは以下の項目です。
耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症・痛風
冠動脈疾患、脳梗塞・一過性脳虚血発作、非アルコール性脂肪性肝疾患、月経異常・女性不妊
閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群、運動器疾患、肥満関連腎臓病
まとめ
肥満は、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の発症リスクを高める要因となります。
ウゴービのような効果的な治療薬の登場により肥満症患者の健康状態を改善し、生活の質を向上させることが
期待されます。
ウゴービは肥満症患者にとって食事療法や運動療法に加えた新たな治療選択肢となりますが、
使用する際には医師と相談しながら効果と副作用を理解した上で、適切に使用することが重要です。
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